多分野活動領域とつながるための第1回交流学習会

〜暴力防止のためのいろいろな試み
 <オーストラリア編・大学編>〜(1)

日時:11月20日(月)18:30〜20:30
会場:日本財団 会議室(東京都港区赤坂1丁目2番2号日本財団ビル2F)


暴力防止のいろいろな試み《オーストラリア編・大学編》

次世代社会研究機構 代表理事 西田陽光さん

 次世代社会研究機構代表理事の西田陽光と申します。2016年に児童福祉法改正が改正されました。塩崎大臣は施設養護を重視していたのですが、受益者の立場でどういうものをルール化するかという価値観はとても重要だと思うのです。子どもの立場に立ち、何が必要かという方向に変えていきたいという意志の入った法律になりました。

 戦後72年間いろいろ頑張ってきたのですが、日本は子どもの権利が法律にうたわれていなかった国なのです。行政の方は法律という根拠のなかで仕事をされていますので、根拠法は大変重要だと思います。大事な問題なのですが、法律を変えるというのはパワーゲームです。パワーを与党がにぎっているので、法案解決をしなくてはいけない時は、野党だけではなく世の中全体を味方につけてどうやって運動していくかが大事ではないでしょうか。

 シェルター会議は20年目なのですが、あまりにもクローズだと私は強く異議を申し立て、開放した形でいろんな人と交わって欲しいという意向を最初のミーティングでお伝えしました。今年は初めて公開されたわけです。そうでないと、こういった社会問題は無いことにされてしまうのです。それは大変危険なことです。どんな問題でも、社会の問題が横たわっているという事実をきちんと誤認のないように1人でも多くの方に理解していただく活動ができることを願っています。

 ウエルク事務局の佐々木さんとは20年近い付き合いで私の世論形成を見てきて共感いただいております。2002年のころ、母子問題をやろうとしたのですが、永田町も霞ヶ関も女と言っただけで、誰も振り向かない。だったら男の問題にしようと、男性のワークライフにしました。そうしたら内閣府もすぐ私の企画を共感いただき、ほぼ同様の内容で進めてくださいました。それに引き続いて文科省、厚労省も動き、法律として一文が入るだけで動きやすくなるというのが世の常です。そういう流れをつくってきました。

 法案改正の時には、世論をどうつくっていくかということを常に念頭に入れて動いています。今日、この場所(日本財団)にしましたが、なるべくいろんな会合をメディアや永田町、霞ヶ関に近い場所で行うようにしています。関係省庁やメディアの方々が気軽に参加頂ける場所がいいのではないかと思います。距離的な問題は、実は関係ないようで関係あるのです。「ここにあるのなら今度行ってみようか」と思ってくださるような射程距離のなかでやっていく。どれが正しいかわかりませんが、私はそのようにやっています。

 今日は皆さんにこういうことだったら3人、5人、10人に広げていけるかというアイデアを出していただき、それが具体的になるように議論していきたいと思っています。海外事例の話などもつながっていて、最初は仁科純子さんが話してくださいます。基本的にはそれが目的ではなく、皆さんの現場の周り、また友達がこういう形ですると情報を共有できる場ができるかということを議論していきたいと思っています。特に学生さん、よろしくお願いします。

 仁科さんは主婦としての忙しさも抱えていますので、冒頭20分でプレゼンしていただきます。よろしくお願いします。


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